カラスが何か丸いものを口にくわえて運んでいた。今は幼鳥のカラスが巣立つ時期。カラス憎しとは言え、子を持つ親の身、子育ても苦労の多いことだろうと気もおおらかになる。何を運んでいるのか?カラスが進む方向を逆に辿って行くと、そこに枇杷の木。しかも私の家の枇杷。昨年のカラスとの戦いが蘇る。今、手に持っているものは鎌だけ。届くところすべて収穫したがまだ木の上に未練の実が残ったまま。しかし帰って枇杷を食べてみると 甘い!今年の枇杷は甘いぞ。農家の庭先や畑の隅で誰にも見向きもされず放置されたままになっている枇杷の実。カラスの餌にするには勿体無い。
6月下旬収穫期の桃が被害にあった。被害の数は毎日数十個に及んだ。これがカラスとの戦いの始まりである。
戦いを始めるには、まず敵を知らなければならない。朝4時に起きて作業小屋で待つ。6月下旬とはいえまだ真っ暗である。やがて近くの山からカアカアと泣き声が聞こえ、まもなく敵の出陣である。鳥目というがカラスには当てはまらない。暗い空に2つの黒い影。
園に直ぐには入らず高い木の頂上に止まり様子を伺う。当方も身を隠し目を凝らして観察する。4時起きを一週間続け、少しずつわかってきた。やって来るカラスは不特定のものが入れ替わり立ち代り訪れるのではなく、特定のカラスである。それは3つのグループであった。東の山から来る2羽・南の山から3羽、そして単独でやってくる若鳥。

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